こんにちは、山田章博です。
ちょうど一週間前の土曜日
4月13日から、5月6日までの会期で
「京都グラフィー(Kyoto Graphie)」がはじまりました。
「なに、それ」という方も、多いかも知れませんね。
京都グラフィーは、そのwebサイトで、次のように説明しています。
http://kyotographie.jp/<京都グラフィーについて>
「京都が最も美しい春の時期に、寺社や町家など京都ならではのロケーションを舞台に、世界各国から選び抜かれた写真で街全体が満たされる24日間。
京都グラフィーは、文化都市京都と写真芸術の融合を図ると同時に、京都の伝統工芸とのコラボレーションにより写真芸術が生活により深く浸透することを目指します。そして毎年、京都から世界に向けてクオリティーの高いプログラムを発表して行きます。」
In spring which is the most beautiful season in Kyoto, the Festival will infuse the city during 24 days with photographic images selected from all over the world, being staged in Kyoto-esque sites such as temples and Machiya (Kyoto townhouse). Kyotographie aims at bringing Kyoto city,a city of arts and culture, together with photography and also strives to make photography permeate more in our daily lives by various collaborations with traditional craftsmanship of Kyoto. Every year Kyotographie will present high-quality programs from Kyoto to the world.
また、京都グラフィーとともに、そのサテライトイベントとして
KG+(ケージープラス)も各所で開催されています。
http://www.facebook.com/KGplusevent<KG+(ケージープラス)>
KYOTOGRAPHIE国際写真フェスティバル・サテライトイベント
「KG+(ケージープラス)は、2013年に初の幕開けとなる大規模な国際写真フェスティバルKYOTOGRAPHIEの“サテライト”です。桜と新緑が彩る季節の京都において、写真に関する展覧会やイベント等を開催します。
KG+では、おもに京都市内の35のスペースにて、56アーティストの展覧会等を開催、紹介します。秀逸なアーティストたちであることはもちろん、いずれも伝統とダイナミズムが融合する京都ならではのエスプリを感じさせるスペースを選出しました。
また、KG+の展覧会やイベントを通じて、写真という表現手段の普及、写真が芸術作品であるという意識の浸透をはかるとともに、京都で活躍するアーティストをはじめ、国境を越えて将来を担う若手アーティストの紹介を積極的に行ないます。」
KG+ is a satellite exhibition and part of KYOTOGRAPHIE 2013, presenting a series of major photographic exhibitions in Kyoto.
KG+ has brought together 56 artists exhibiting photographic works at 35 spaces during the festival.
The spaces have been selected to reflect a mix of tradition and dynamism, which is the ‘Esprit’ of Kyoto.
京都グラフィーの内容は、簡単に言うと
「京都らしい場所で、素晴らしい写真を展示する」ということです。
今回の会場は、例えば、以下のような場所です。
京都文化博物館別館、高台寺圓徳院、大西清右衛門美術館
西行庵、誉田屋源兵衛黒蔵、虎屋京都ギャラリー、
アンスティチュ・フランセ関西(日仏会館)
二条城二の丸御殿台所、他

<京都文化博物館別館/正面玄関>

<同上/KYOTOGRAPHIEパネル>

<同上/KYOTOGRAPHIE会場・アーティスト一覧>

<KYOTOGRAPHIE webページ/会場・アーティスト一覧>
そしてこれらの場所に展示される写真は、主に
既に世界的にも高い評価を得ている写真家のよく知られた作品や
海外でのコンテストなどの入選作品、学生の作品などです。
言い替えると、その場所と直接関わる作品は、多くはありません。
(大西清右衛門美術館では当主の大西氏の作品を展示しています)
私はまだどの会場も見ていません。これから5月まで、ゆっくり見て回り
また、その感想なども改めてお話ししたいと思いますが、
今日は、写真というアートの特性と、それを展示する場所の関係
について、考えてみます。
日本でも西欧でも、近代以前の絵画は、
特定の建物や部屋などと、切り離すことができませんでした。
フレスコ画などの壁画は、その典型です。
キャンバスに描かれ、額縁に収められたタブローも
ほとんどの場合、特定の場所に飾られることが想定されていました。
近代になる、それが特定の場所から切り離され、
サロンやギャラリー、美術館などに展示されるようになります。
写真は、そのような近代になってから始まった技術でありアートです。
写真はそのはじまりから、特定の場所での展示を想定していません。
逆に、近代以前の絵画が
神話や宗教説話など、架空の題材を描いて来たのに対して
写真には常に、現実に存在する「被写体」とそれを撮影した「場所」が
写真作品と切り離すことができないものとして、存在します。
ですから私たちは、
絵画が特定の場所を選んで展示されることには比較的慣れていても
写真がギャラリーや展示室以外で展示されることに慣れていません。
そこには何か、違和感とは言わないまでも、不慣れなものがあります。
さらに今回、展示の場所として選ばれている場所は
それぞれの写真とは縁もゆかりもないばかりか
写真を展示することを前提にはしていない場所が多くあります。
しかし一方で、それらの場所(寺院など)は
書画や古美術、花などを飾ることは当然と考えられる場所でもあります。
そうした場所に現実を写し取る複製芸術である「写真」を展示する。
そこには、これまでなかったアートと場所の関係を創り出そうとする
明確な意図があるはずです。
そしてまた、写真と場所のこれまでなかった関係を通じて
どのような出来事(感情、言葉、対話、行為など)が発生するのか?
という実験でもあると、私には思えます。
さらに、こうした新しい関係(アートと空間の関係)を通じて
また、京都という都市/環境/文化と写真の関係を通じて
写真というアートの新しい楽しみ方を創り出そう、という意図も感じます。
この「京都グラフィー2013」。
これから毎年この時期に開催する予定だそうです。
初めて開催される今年の春の展示を、これからじっくり楽しみ、
また、これからの展開にも注目して行きたいと思っています。